市民セレクターによるエントリー作品紹介



エントリーNo. 1 「みんなの学校」

セレクター:黍原里枝さん

 

2014年、日本、ドキュメンタリー

監督:真鍋俊永

てっぱんコメント:実は、私もまだ見たことがないのです。でも、大切な友人が絶対観た方が良いよって勧めてくれたから…。不登校も特別支援学級もない、同じ教室で学ぶ公立の小学校「みんなの学校」ってどんな所? 気になリませんか?

 

 あらすじ:大阪市住吉区にある市立大空小学校が目指すのは、“不登校ゼロ”。ここでは、特別支援教育の対象となる発達障害がある子も、自分の気持ちをうまくコントロールできない子も、みんなが同じ教室で学ぶ。普通の公立小学校だが、開校から6年間、児童と教職員だけでなく、保護者や地域の人も一緒になって、誰もが通い続けることができる学校を作ってきた。すぐに教室を飛び出してしまう子も、つい友達に暴力を振るってしまう子も、みんなで見守る。ある時、“あの子が行くなら大空には行きたくない”と噂される子が入学。これに対して、木村泰子校長は“じゃあ、そんな子はどこへ行くの?そんな子が安心して来られるのが地域の学校のはず”と答えて受け入れた。やがて彼は、この学び舎で居場所を見つけ、春には卒業式を迎える。今では、他の学校へ通えなくなった子が次々と大空小学校に転校してくるようになった。この取り組みは、支援が必要な児童のためだけのものではない。経験の浅い先生をベテランの先生たちが見守る。子供たちのどんな状態も、それぞれの個性だと捉える。そのことが、周りの子供たちはもちろん、地域にとっても“自分とは違う隣人”が抱える問題を一人ひとり思いやる力を培ってきた。映画は、日々生まれかわるように育ってゆく子供たちの奇跡の瞬間、ともに歩む教職員や保護者たちの苦悩、戸惑い、喜び。そのすべてを絶妙な距離からありのままに映してゆく。そもそも学びとは何だろうか?そして、あるべき公教育の姿とは?大空小学校には、そのヒントが溢れている。(KINENOTE より)

 

(C)関西テレビ放送


エントリーNo. 2 「最高の人生の見つけ方」

セレクター:丸木久忠さん

 

2007年、アメリカ、ドラマ

監督:ロブ・ライナー

出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン

 

てっぱんコメント:死を意識した初老男性2人が病室で知り合い意気投合。"やりたいことリスト"に基づき、残りの人生を生き生きと駆け抜ける。感動ストーリーを爽やかなユーモアで描き切った、我々の世代に響く名作。ラストシーンが良いのです。

 

あらすじ:46年の間、家族のためにひたすら働いてきた自動車整備工カーター・チェンバース(モーガン・フリーマン)。彼は学生時代、哲学の教授から勧められ“棺おけリスト”を作ったことがあった。それは、自分たちが棺おけに入る前に、やりたいこと、見たいものすべてを書き出したリストのことだった。とはいえ、カーターの前には現実という壁が立ちはだかった。結婚、子供、さまざまな責任。そのうち“棺おけリスト”は、そのチャンスを失ったという苦い思い出と、仕事の合間に時折思い出す程度の空想に変わっていた。一方、会社を大きくすることに人生のすべてをつぎ込んできた大金持ちの実業家エドワード・コール(ジャック・ニコルソン)。多忙な人生を過ごしてきた彼は、企業買収や美味しいコーヒーを飲むこと以上に、より深く自分が求めているものについて考えることさえできなかった。対照的な人生を歩んできた、出会うはずのない二人。しかし彼らは、ガンで余命6ヶ月と宣告され、病院のベッドで隣り合わせたことから、人生の最後を共に過ごす仲間となる。ベッドの上でカーターが取り出した“棺おけリスト”。そこにカーターは「荘厳な景色を見る」、「赤の他人に親切にする」、「涙が出るほど笑う」と記した。それを見たエドワードは「スカイダイビングをする」、「マスタングを乗り回す」、「ライオン狩りをする」、「世界一の美女にキスをする」と付け加える。こうして、病院を飛び出した二人の生涯最後の冒険旅行が始まる。タージマハルから野生の楽園セレンゲティ、最高級のレストランからいかがわしいタトゥーショップ、レースカーのコックピットからスカイダイビング用の小型機まで。ひとつまたひとつとリストを埋めていく中で、二人は生きる上で直面する様々な疑問に取り組むことになる。やがて、二人は気づかないうちに生涯の友になっていくのだった…… (KINENOTE より)

 

©2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.


エントリーNo. 3 「禁じられた遊び」

セレクター:岩切潤さん

 

1952年、フランス、ドラマ

監督:ルネ・クレマン

出演:ブリジット・フォッセー

 

てっぱんコメント:「禁じられた遊び」を見たのは大学生の頃でした。心洗われる思い出の映画です。そしてあの曲が流れる度に戦後の思い出がよみがえります。

 

あらすじ:一九四〇年六月のフランス。パリは独軍の手におち、田舎道を南へ急ぐ難民の群にもナチの爆撃機は襲いかかって来た。五歳の少女ポーレット(B・フォッセイ)は、機銃掃射に両親を奪われ、死んだ小犬を抱いたままひとりぼっちになってしまった。彼女は難民の列からはなれてさ迷ううち、牛を追って来た農家の少年ミシェル(G・プージュリー)に出会った。彼は十歳になるドレ家の末っ子で、ポーレットの不幸に同情して自分の家へ連れ帰った。ドレ家では丁度長男のジョルジュが牛に蹴られて重傷を負い、大騒ぎしているところだった。ポーレットはミシェルから死んだものは土に埋めるということを始めて知り、廃屋になった水車小屋の中に彼女の小犬を埋め十字架を立てた。墓に十字架が必要なことを知ったのも彼女にとって新知識であり、以来彼女はこのお墓あそびがすっかり気に入ってしまった。ジョルジュは容態が悪化して急死した。そのとき、隣家のグーアルの息子フランシスが軍隊を脱走して帰って来た。グーアル家とドレ家は犬猿の仲だったが、フランシスとドレの娘ベルトとは恋仲であった。ジョルジュの葬式の日、ドレは葬式馬車の十字架がなくなったことに気づいたが、これはミシェルがポーレットを喜ばすために盗んだのだった。ミシェルは更に教会の十字架を盗もうとして司祭にみつかり、大叱言を喰った。しかしミシェルとポーレットはとうとう教会の墓地まで出かけて、たくさんの十字架を持ち出した。ジョルジュが死んではじめての日曜日、ドレ一家は墓参に出かけたが、ジョルジュの墓の十字架がなくなっているのを見て、ドレは、グーアルの仕業にちがいないと思い込み、そこへ来たグーアルと大格闘をはじめた。しかし司祭の言葉で盗んだのはミシェルだとわかり、ドレはミシェルが何のために十字架を盗んだのか理解に苦しんだ。翌朝、ドレ家に二人の憲兵が訪れた。ドレはてっきり十字架泥棒がばれたものと思ったが、実はポーレットを孤児院にひきとりに来たのだった。ミシェルの必死の懇願にもかかわらずポーレットは連れさられた。雑踏する駅の一角、ポーレットは悲しく母を呼び求めて、ひとり人々の間を駈け去って行った。 (KINENOTE より)


エントリーNo.4 「死刑台のエレベーター」

セレクター:花坂康志さん

 

1957年、フランス、サスペンス

監督:ルイ・マル

出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー

 

てっぱんコメント:エレベーターが止まったことで崩れていく完全犯罪。マイルスデイヴィスのモダンジャズやモノクロでも美しいパリの街並みによって、映画が持つ芸術性を最大限に引き出しています。ラストシーンまで美しい作品です、ぜひご覧になっていただきたいです!

 

 

解説:これ以前に海洋ドキュメンタリー「沈黙の世界」で、クストーと並んで監督にクレジットされていたとはいえ、これこそルイ・マルがその斬新な演出技法を駆使して初めて作り上げた劇映画。その時、わずか25歳であった。原作はノエル・カレフの犯罪小説。土地開発会社に勤める技師ジュリアン(ロネ)は社長夫人フロランス(モロー)と通じており、邪魔な社長を殺す完全犯罪を目論んでいた。だが社内で社長を殺した帰途、残してきた証拠に気づいたジュリアンは現場へ戻ろうとするが、週末で電源を落とされたエレベーター内に閉じ込められてしまう。しかも会社の前に置いてあった車は、若いカップルに無断で使われており、彼らは彼らで別の犯罪を引き起こしていた……。徹底したドライなタッチと、即興演奏で奏でられるマイルスのモダンジャズ、モノクロ映像に封じ込まれた都会の孤独感によって描かれる完全犯罪の綻び。“ヌーヴェル・ヴァーグ”の先駆けというフレーズには、あえて眼をつぶろう。この作品の魅力は、そんな時代の呪縛からは完全に解き放たれている。

(C) 1958 Nouvelles Editions de Films


エントリーNo. 5 「奇跡のひと マリーとマルグリット」

セレクター:宮崎敏子さん

 

2014年、フランス、ドラマ/伝記

監督:ジャン=ピエール・アメリス

出演:イザベル・カレ

 

てっぱんコメント:全く違う「世界」にいた2人の魂が葛藤の末に輝き出す。自身も聴覚障害者であるマリー役のアリアナ・リヴォワールの熱演、光の演出や田園風景の美しさ……ラストは涙が溢れ出す。ぜひ一度観ていただきたい作品です。

 

解説:ドラマ。主演は自身も聴覚にハンディキャップを抱える新人アリアナ・リヴォワールと「視線のエロス」「チャーリーとパパの飛行機」のイザベル・カレ。監督は「デルフィーヌの場合」のジャン=ピエール・アメリス。

 19世紀末のフランス。ある日、聴覚障がいの少女たちが暮らす修道院に、耳も目も不自由な少女マリーが父に連れられやって来る。院長は目も見えなのでは手に負えないと預かりを拒否するが、修道女のマルグリットが自ら教育係を買って出て院長を説得する。しかし、これまで一切のしつけも教育も受けてこなかったマリーは、まるで獰猛な野生動物そのもの。そんな彼女にものを教えるということは、“戦い”にも等しい過酷なものだった。それでも、気の遠くなるような忍耐強さで、懸命にマリーへの教育を続けていくマルグリットだったが…。

 

© 2014 Escazal Films / France 3 Cinéma – Rhône Apres Cinéma

 


エントリーNo.6 

「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」

 セレクター:平松伸一郎さん

 

2015年、アメリカ、ドラマ/音楽

監督:ビル:ポートラッド

出演:ジョン・キューザック

 

てっぱんコメント:この作品は、カリフォルニアの青い空のように澄み切ってはいない。でも、「明けない夜はない」という言葉を十分に信じさせてくれるし、なにより、夏の釜石PITのスクリーンがビーチボーイズサウンドで彩られたら、“素敵じゃないか”。

 

あらすじ:1960年代、カリフォルニア。発表する曲はすべて大ヒットし、ザ・ビーチ・ボーイズは人気の頂点にいた。バンドの中心的存在であるブライアン・ウィルソン(ポール・ダノ)は、新たな音を求めてスタジオで曲作りに専念。だが新作へのプレッシャーが重くのしかかり、その心に抱えた痛みから彼は次第に薬物に溺れ、深く長い孤独な日々へと入っていく……。それから20余年、ブライアン(ジョン・キューザック)に再び希望の光をもたらしたのは、美しく聡明な女性メリンダ(エリザベス・バンクス)との出会いだった。しかし、愛し合う二人の間にブライアンの全ビジネスを管理するランディ医師(ポール・ジアマッティ)が立ちはだかる……。(KINENOTE より)

 

©2015 Malibu Road, LLC. All Rights Reserved.

 


エントリーNO. 7 「アバウト・ア・ボーイ」

セレクター:永野美緒子さん

 

2002年、アメリカ、ドラマ/コメディ

監督:クリス・ワイツ、ポール・ワイツ

出演:ヒュー・グラント    

 

てっぱんコメント:14年も前の映画ですが、この映画で描かれた身勝手なニートの中年男も、情緒不安定のママや学校でのイジメに悩む少年も、未だに世界には溢れています。今だからこそ、笑って泣けるコメディの傑作を楽しみましょう。

 

解説:「ハイ・フィデリティ」の原作者、ニック・ホーンビィのベストセラーを映画化。優雅に暮らす無責任な独身男が、12歳の少年と出会うことで自らの人生を見つめ直していく。主演は「ノッティングヒルの恋人」のヒュー・グラント。共演に「ハムナプトラ」「スターリングラード」のレイチェル・ワイズ。監督は「アメリカン・パイ」のポール&クリス・ウェイツ兄弟。

 ウィル・フリーマン。38歳、無職、独身。ノース・ロンドンに住み、亡き父がクリスマス・ソングを一発ヒットさせたおかげでお気楽な印税生活を送っていた。ある日、ウィルは12歳の少年マーカスと出会う。マーカスはシングルマザーの母親フィオナのひどい鬱病に悩んでいた。そんな矢先、フィオナが自殺を図る。フィオナはウィルの素早い対応で事なきを得るが、マーカスは母をこれ以上一人にしておけないと考え、ウィルと母のデートをセッティングする。そうこうしてるうち、次第にウィルのアパートに入り浸るようになるマーカス。生活のリズムを狂わされ困惑するウィルだったが…。

©2002 UNIVERSAL STUDIOS


エントリーNo. 8 「はじまりのうた」

セレクター:佐々木愉子さん

 

2013年、アメリカ、ドラマ/音楽

監督:ジョン・カーニー

出演:キーナ・ナイトレイ

 

てっぱんコメント:せつなくて、くやしくて、情けなくて、自分も世の中もどうでもよくなっても、音楽とわかりあえる人との出逢いが少しずつ笑顔を取り戻してくれる。劇中に流れる素敵なメロディーと素直な歌詞が疲れた心にゆっくり沁みていきます!

 

 

解説:アカデミー歌曲賞に輝いた「ONCE ダブリンの街角で」で高い評価を受けたジョン・カーニー監督が、キーラ・ナイトレイとマーク・ラファロを主演に迎えて贈る音楽ドラマ。崖っぷちの音楽プロデューサーが、恋人に裏切られた失意の女性シンガー・ソングライターと手を組み再起を図る姿をハートウォーミングに綴る。

 音楽プロデューサーのダン。かつては人気ミュージシャンを次々と発掘し、ヒットを飛ばしてきた彼だったが、すっかり時代に取り残され、ついには自分が設立したレコード会社をクビになってしまう。失意のまま飲み明かし、酔いつぶれて辿り着いたバーで、ふと耳に飛び込んできた女性の歌声に心を奪われる。小さなステージで歌を披露していたのは、シンガー・ソングライターのグレタ。ブレイクしたミュージシャンの恋人デイヴに裏切られて別れたばかりで、今も失意のどん底。そんなグレタに一緒にアルバムを作ろうと提案するダン。お金のない2人がスタジオに選んだのは、なんとニューヨークの街の中。ストリート・ミュージシャンたちに参加してもらい、大胆にも路上でゲリラ・レコーディングを敢行してしまう2人だったが…。

 

(C)2013 KILLIFISH PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED

 


エントリーNo. 9 「ガイアシンフォニー 地球交響曲第八番」

 

2015年、日本、ドキュメンタリー

監督:龍村仁

ナレーション:榎本孝明、木内みどり

 

てっぱんコメント:東日本大震災から地球の声に耳を傾けることの重要性を唱え、「樹の精霊の声、地球の声を聴く力を甦えらせなければならない」と気付いた日本人達がいます。今を生きていくためのヒントがこの映画にはあります。

 

 解説:イギリスの生物物理学者ジェームズ・ラブロック博士の唱えるガイア理論“地球はそれ自体がひとつの生命体である”という考え方に基づき、龍村仁が全作を監督するドキュメンタリーシリーズ第8弾。日本人の中にかすかな残響波として今も響き続けている樹の精霊の声(宇宙の声)を聴く力を甦らせようとする人々の想いと活動を映し出す。 (KINENOTE より)

 

© Jin Tatsumura Office All Rights Reserved.



エントリーNo. 10 「かもめ食堂」

セレクター:清水静枝さん

 

2005年、日本、ドラマ/コメディ

監督:萩上直子

出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ

 

てっぱんコメント:私の好きな小林聡美、もたいまさ子、片桐はいり出演の映画。フィンランドの景色の中でストーリーがゆっくり動く。サチエという主人公が食堂を開く話で焼き魚定食、おにぎりが現れ、少年の登場もおもしろい。時々無性に見たくなる。

 

 

解説: デビュー作「バーバー吉野」が注目を集めた荻上直子監督の「恋は五・七・五!」に続く長編第3作目で全編フィンランドロケによるコメディ・ドラマ。フィンランドのヘルシンキを舞台に3人の日本人女性と地元の人々とのちょっと奇妙で心温まる交流をゆるやかな時間の流れの中で綴る。主演は2003年に放映され評判を呼んだTVドラマ「すいか」での共演も記憶に新しい小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ。共演に「過去のない男」のマルック・ペルトラ。原作は、作家・群ようこが映画のために書き下ろしたオリジナル・ストーリー。

 フィンランドのヘルシンキに“かもめ食堂”という小さな食堂をオープンした日本人女性サチエ。シンプルな“おにぎり”を看板メニューに、フィンランドの人にも日本食のおいしさを伝えたいと張り切るが、やって来たお客は日本のアニメが好きなおたく青年だけ。それでもめげずに淡々と営業を続けるサチエは、やがて訳ありな2人の日本人女性と出会うのだった。

 

 

(C)かもめ商会

 


エントリーNo. 11 「ロミオとジュリエット」

セレクター:木谷眞智子さん

 

1968年、イギリス/イタリア、ロマンス

監督:フランコ・ゼフィレッリ

出演:オリヴィア・ハッセー、レナード・ホワイティング

 

てっぱんコメント:シェイクスピア原作の作品で両家の犠牲になり死んでいった恋人たちの悲劇です。物語もさることながら映画史上最も若い15歳になったばかりのオリビア・ハッセーの「ジュリエット」の可憐さは必見! 唯々、心奪われた思い出の映画です。

 

 

解説:言わずと知れたシェイクスピア原作の映画化。イタリア、ルネッサンス期の1450年頃、春まだ浅きヴェロナの町。二大名門として知られるモンタギュー家とキャピュレット家は、仇敵視しあう仲で日々血で血を洗う争いが絶えなかった。ある日、舞踏会で出会ったロミオとジュリエットは、一目で魅かれ合う。だがお互いの素性を知って嘆き合う二人。しかしバルコニーで恋の苦悩を訴えているジュリエットを見かけたロミオは、いたたまれず熱烈な愛の告白をし、二人は結婚を誓い合う。翌日、結婚式をあげての帰り道、口論を止めようとしたロミオは親友が殺された事に逆上し、相手を刺してしまう……。キャピュレット家の舞踏会における二人の出会いのシーンの初々しさ、ロミオとティボルトの決闘シーンの迫力、悲劇をクライマックスに導く墓所の場面の素晴らしさ等々、シェイクスピアの原作を知る人には勿論の事、万人の胸を打つ感動の名作である。そして当時15歳だったO・ハッセーが実にかわいらしく、ジュリエットを見事に演じているのも見所。



エントリーNo. 12 「ひまわり」

セレクター:伊瀬聖子さん

 

1970年、イタリア、ロマンス

監督:ヴィットリオ・デ・シーカ

出演:ソフィア・ローレン

 

てっぱんコメント:地平線を埋め尽くすほどのひまわり畑の黄色が悲しいほど美しく、それを包み込むように流れる哀愁のメロディが自分を映画の中に引き込んでくれる。メロディの悲しさが戦争の悲惨さも助長する、私の中の反戦映画でもあります。

 

 

解説:ナポリの女性ジョヴァンナは、ソ連の戦線に送られて以来、戦後も行方不明のままの夫を探すことを決心する。だが、探し当てた夫は、シベリアの娘と幸せな結婚をしていた……。戦争によって引き裂かれた夫婦の悲劇を描いたメロドラマ。H・マンシーニのメロディが涙を誘う。

 

(C)1970 - COMPAGNIA CINEMATOGRAFICA CHAMPION(IT) - FILMS CONCORDIA(FR) - SURF FILM SRL, ALL RIGHTS RESERVED.


エントリーNo. 13 「ミニオンズ」 

セレクター:東洋平さん

 

2015年、アメリカ、コメディ

監督:ピエール・コフィン、カエル・バルダ

声の出演:サンドラ・ブロック

    (吹替版:天海祐希)

 

てっぱんコメント:子どもの頃には既に映画館はなく、映画を観るといっても、年に一度かつての市民文化会館で正月に映画を観た程度。それでもなおその記憶は鮮明に残っています。この映画が子どもたちにとって、貴重な体験になることを願います。

 

解説:大ヒット・アニメ「怪盗グルー」シリーズに主人公の部下として登場し、一躍人気者となったバナナが好きな謎の生物“ミニオン”を主演に大抜擢して贈るアドベンチャー・コメディ・アニメ。ミニオンたちが怪盗グルーと出会うまでの知られざる物語がコミカルに描かれていく。ボイスキャストにはサンドラ・ブロック、ジョン・ハム、マイケル・キートンはじめ豪華俳優陣が名を連ねる。監督は「怪盗グルー」シリーズのピエール・コフィンと「ロラックスおじさんの秘密の種」のカイル・バルダ。

 人類が誕生する遥か以前から存在していたミニオンたち。彼らの生きがいは、最強最悪のボスに仕えること。これまでにも、様々な時代で様々な歴史的悪党たちに仕えてきた。しかしある時、ついに仕えるボスがいなくなり、すっかりやる気をなくしたミニオンたち。そこでリーダーのケビンは、新たなボスを探して旅に出ることに。こうしてケビン、スチュアート、ボブの3人は初めてのニューヨークへとやって来る。折しも、オーランドでは“大悪党大会”が開かれようとしていた。彼らはそこで理想的なボス候補、世界にその名を轟かす偉大な女悪党スカーレット・オーバーキルと出会うのだったが…。

 

(C) 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.


エントリーNo. 14 「フラガール」

セレクター:下村達志さん

 

2006年、日本、ドラマ

監督:李相日

出演:松雪泰子、豊川悦司

 

てっぱんコメント:実話を元に描かれた町おこしの物語。テレビやDVDで観た事がある人も多いと思いますが、世代を問わずが楽しめるストーリーと軽快なハワイアンのリズムは、大型スクリーンと迫力の音響で味わってこそ!

 

 

解説:炭坑の閉山で活気を失った町の再生を期して計画されたレジャー施設“常磐ハワイアンセンター”(現・スパリゾートハワイアンズ)誕生にまつわる感動秘話を映画化したハートフル・ストーリー。施設の目玉となるフラダンスを教えるため東京から呼び寄せられたダンス教師と地元の炭坑娘たちとの葛藤と心の成長を描く。主演は「子ぎつねヘレン」の松雪泰子、共演に蒼井優、山崎静代。監督は「69 sixty nine」の李相日。3ヵ月の猛特訓を積んだという出演者たち自らが披露する迫真のフラダンス・シーンも見どころ。

 昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。時代は石炭から石油へと変わり、閉山が相次ぎ、町は先細りの一途をたどっていた。そこで、起死回生のプロジェクトとして豊富な温泉を利用したレジャー施設“常磐ハワイアンセンター”が計画された。そして、目玉となるフラダンスショーのダンサー募集が地元の少女たちに対して行われた。この町から抜け出すチャンスだと考えた早苗は紀美子を誘って説明会へと向かう。説明会では、セクシーな衣装で踊る姿に、大半の応募者が逃げ出し、残ったのは紀美子と早苗の他には初子と小百合のわずか4人だけだった。そんな中、元SKD(松竹歌劇団)のダンサー平山まどかがフラダンスの教師として東京から招かれる。しかし、とある事情で渋々やって来たまどかは、教える相手がズブの素人と分かり、完全にやる気を失ってしまう…。

 

(C)2006 BLACK DIAMONDS

 



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